《光の曝書》2014年 Courtesy of Yuka Tsuruno Gallery
概要
千葉県ゆかりの新進気鋭の作家を紹介し、現代の美術に親しむ展覧会シリーズ。初回となる今回は、千葉県在住の美術家・志村信裕の作品を展示します。志村は、日用品や動物など子どもから大人まで誰にでも親しみやすいものをモチーフに、自らの視点で「過去」を探る映像作品を制作しています。初期の映像インスタレーションでは、身近なモチーフの大きさを拡大・縮小することで見る人の記憶を揺さぶり、現実とも夢ともつかない時空を生んできました。それぞれの作品におけるモチーフや投影対象は、発表当時の展示空間が持つ歴史を志村がリサーチし選びぬいたものです。
近年は制作方法を変え、ドキュメンタリーの手法を取り入れて国や地域を超えた普遍的なモチーフを糸口にしたフィールドワークを行っています。本展では“羊”をめぐってフランス・バスク地方と千葉県成田市に取材した新作《Nostalgia, Amnesia》を展示します。近代化の影で失われゆく歴史や文化を次の世代へと伝えるべく編まれた本作は、志村の手わざによってどこか現実離れした美しい世界を映しだします。映像という無数の光の粒と共に「過去」という途方もない時間に向き合うことで、逆説的に「未来」のありかたを問いかける志村の仕事を、初期から現在までご紹介します。
主な展示作品
- 《jewel》2009年
- 《bucket garden》 2012年
- 《光の曝書》2014年
- 《Dress》2015年
- 《Nostalgia, Amnesia》2019年
関連事業
〈ワークショップ 文庫カバー屋台〉
志村信裕が、あなたが持ってきた文庫本に
自身のドローイング作品をプリントしたブックカバーをかけてくれます。
日時:8月4日(日)10:30〜12:00
定員:15名(当日9:30から先着順で整理券配布) 参加費:無料
〈志村信裕アーティストトーク1「表現の変容、そしてこれから」〉
ゲスト:森啓輔(千葉市美術館学芸員)
日時:7月20日(土)13:30〜15:00
定員:200名(当日先着順) 参加費:無料
〈志村信裕アーティストトーク2「周縁をめぐって−《Nostalgia, Amnesia》を中心に」〉
ゲスト:港千尋(写真家、映像人類学者)
日時:9月7日(土)13:30〜15:00
定員:200名(当日先着順) 参加費:無料
〈キュレータートーク これからの新進作家展〉
登壇者:伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)、神野真吾(千葉大学准教授)、
古屋梨奈(本展担当学芸員)
日時:9月23日(月・祝)13:30〜15:00
定員:200名(当日先着順) 参加費:無料
開催日時等
日時 |
2019(令和元)年7月13日(土)〜9月23日(月・祝) |
会場 | 第1・2・8展示室 |
入場料 |
<アート・コレクション共通> 一般300円/高・大150円 65歳以上、中学生以下、障害者手帳をお持ちの方及び介護者1名は無料 *20名以上は団体料金(それぞれ2割引き) |
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