地衣類と化学分類：薄層クロマトグラフィー

３－３．薄層クロマトグラフィー（TLC）Thin-layer chromatography

3-3-2．（その２）展開

二槽式展開槽を使用

・CAMAG（カマーグ）二槽式展開槽

		正面から見ると一槽式の展開槽と違いはないが，側面から見ると，底面の中央に仕切りがあって2つに分かれているのが分かる．
A．正面	B．側面

展開溶媒（移動相）の用意

・溶媒A：　トルエン: ジオキサン: 酢酸= 180: 45: 5

・溶媒B'：　ヘキサン: メチル ‒tert.‒ ブチルエーテル: ギ酸＝ 140: 72: 18

・溶媒C：　トルエン: 酢酸＝ 170: 30

※いずれも体積比．展開槽の規格によって，溶媒の総量を調整する


A．２ないし３種類の薬品を計量し，スクリュー瓶に入れて，軽く攪拌し	B．二槽式展開槽の一方（ここでは奥側）の溝に入れる．	C．もう一方の溝（ここでは手前）にプレートを据え，展開槽に蓋をする．

Cの状態を側面から見たところ．奥側の溝（A）に溶媒を入れ，手前（B）にプレートを立てている．この状態で，溶媒が展開槽内に飽和するのを待つ．

（※プレートと，Aの溶媒は，画像上で強調してある）

一定時間，静置したのち，展開を開始する．

A．展開槽を手前に傾け，奥の溝の溶媒を手前の溝に移動．

B．側面から見た状態．奥の溝（A）にあった溶媒は，手前（B）に移動．

（※プレートと，Bの溶媒は，画像上で強調してある）

C．展開が始まった．


D．溶媒が終了線（シリカゲル層を削った線）に間もなく達する．	E．プレートを取り出す．	F．取り出したプレート．このあとドラフト内などで乾燥させる．

乾燥後に，紫外線下で展開後のスポットの検査を行う．必要に応じて撮影する．