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1930年代にはいると,石油化学という新しい工業が生まれました。石油からつくったガソリンやナフサをもとにして繊維(せんい)やゴム・プラスチックなどをつくりだす工業です。
石油は液体なので運搬(うんぱん)などの取り扱いが簡単で,工業原料としても優れた性質をもっていたため,それまでの石炭にかわって化学工業の原料の主役になりました。 |
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合成ゴム
自動車の台数が増えるにつれて,タイヤに使うゴムが大量に必要になり,天然(てんねん)のゴムを原料としないで石油からつくる合成ゴムの研究がさかんになりました。天然ゴムと同じような性質をもつゴムを合成するのは困難な作業でしたが,カローザスはクロロプレンという物質をもとに,1931年に天然ゴムに似た性質をもつ合成ゴムを発明しました。
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ウォーレス・カローザス
Wallace H. Carothers
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ナイロン
カローザスは,石油をもとに,それまでの繊維では考えられなかった強さをもつナイロンという人工繊維を1937年に発明しました。
この後,石油を原料として新しい構造(こうぞう)をもった物質をつくりだす石油化学が本格的に発展しました。
ナイロンは,2年後の1939年に女性用のストッキングとして売り出され,この年だけで6,400万足が売れる大ヒットとなりました。 |
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ナイロン製造実験装置 |
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