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現在のように大量の鉄が生産できるようになるには,大きな問題が2つありました。
一つは木炭の不足です。木炭高炉では,鉄をつくるときに大量の木材が必要(ひつよう)で,多くの木が切られ,森林が急激(きゅうげき)に減少(げんしょう)しました。
もう一つは,高炉でできる銑鉄は加工しやすいかわりに硬(かた)くてもろく,船や建物には向いていなかったことです。強い鋼鉄は少ししか生産できなかったため,非常(ひじょう)に高価(こうか)なものでした。
さてこの2つの問題をどのように解決(かいけつ)したのでしょうか。 |
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コークス
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木炭の不足によって伸(の)び悩(なや)んだ鉄の生産を再び活発にしたのは,1709年ダービー父子(ふし)によってつくられたコークスを使う高炉でした。コークスは石炭を蒸し焼き(むしやき)にしたもので,大量に手に入るため,大変安いものでした。また,コークスは木炭と違って,砕(くだ)けにくいため,高炉を大きくすることができるようになりました。高炉を大きくすることによってコークスと鉄鉱石がよく反応して良質の銑鉄をつくることができるようになりました。 |
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パドル炉の内部
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ダービーのコークス高炉(こうろ)でつくった鉄は,不純物(ふじゅんぶつ)を含(ふく)み,もろく良質(りょうしつ)とはいえませんでした。強い鉄にするには,不純物を取り除く(とりのぞく)必要がありました。コート(1740〜1800)は鉄を炉(ろ)の中で熱しながらかき回す(パドリングする)ことで,強い鉄に変える方法を発明しました。
しかし,まだ質のよいものではありませんでした。 |
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