甦る幻の名作 石井林響《和気清麿》展

概要

 石井林響(いしい・りんきょう)の幻の名作《和気清麿》(わけのきよまろ)は、歴史上の人物・和気清麻呂の逸話を題材にした作品で、明治40(1907)年に始まった第1回文展(文部省美術展覧会)に出品されました。その後、長らく所在不明でしたが、令和元(2019)年度に所蔵者から寄贈を受け、令和2(2020)年度に修復を完了し、この度初公開します。

 早朝の宇佐神宮に到着し、神託拝受に詣でる清麻呂の、不安と決意を描きあげたこの作品は林響の代表作であり、日本の近代絵画史においても資料的価値の高い作品です。

 千葉県千葉市に生まれた石井林響(本名・穀三郎 1884~1930)は、旧制千葉中学校(現在の県立千葉中学校・高等学校)に進学し、図画教師・堀江正章に画才を認められ絵の道に進みました。橋本雅邦に師事し、雅邦の門下生で結成した「二葉会」主催の展覧会に《木華開耶姫》を出品し二等賞受賞、この翌年《和気清麿》を発表。弱冠23歳の作とは思えない、充実した技術と表現力を示しました。

 この展覧会では《和気清麿》を中心に、千葉県立美術館が所蔵する林響の他の作品を併せて展示するとともに、修復作業の過程を解説し、明治から100年の時を経て甦った幻の名作《和気清麿》を紹介します。

 

日時

令和3(2021)年7月13日(火)〜令和3(2021)年9月20日(月・祝)
9:00〜16:30

会場

第1展示室
入場料

<コレクション展共通>
一般300円/高・大150円
65歳以上、中学生以下、障害者手帳をお持ちの方及び介護者1名は無料

 

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石井林響《和気清麿》明治40(1907)年
 
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石井林響《木華開耶姫》明治39(1906)年   石井林響《羅浮仙女》制作年不詳

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