平成31年3月5日(火)、当館が所蔵する洋画家・浅井忠(あさいちゅう・1856~1907)の2作品、《藁屋根》(1887年)と《漁婦》(1897年)が千葉県の有形文化財[絵画]の指定を受けました。これは宗教画を除く近代絵画作品では初めてのことであり、また、当館の所蔵作品としては平成28年の石井雙石[書跡]に次ぐものです。
浅井忠は本県を代表する明治期の画家です。佐倉藩士・浅井常明の長男として生まれ、少年時代を佐倉で過ごしました。その後、イタリア人教師アントニオ・フォンタネージに師事し、バルビゾン派の画風を学びながら農村や漁村の風景を好んで描きました。《藁屋根》と《漁婦》はその代表的な作品であり、浅井の画歴のみならず、日本近代絵画史上における重要な作品と位置付けられています。
両作品は、現在8展示室で展示中です(〜4月14日)。
この機会にぜひご覧ください。
*入場には、アート・コレクション共通の入場料が必要です。
藁屋根(わらやね)
- 種 別 有形文化財[絵画]
- 所在地 千葉市中央区中央港1丁目10-1号 県立美術館
- 所有者 千葉県
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概 要
《藁屋根》は、《春畝》(1888年、重要文化財)などと同様に農村の生活の一コマが描かれた作品です。緊密な構図で入念に描き込まれており、油絵具の性質を活かした豊かなマチエールを特徴としています。
漁婦(ぎょふ)
- 種 別 有形文化財[絵画]
- 所在地 千葉市中央区中央港1丁目10-1号 県立美術館
- 所有者 千葉県
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概 要
1897(明治30)年1月に外房州根本へ旅行した際に制作された《漁婦》は、同年春に開催された第8回明治美術会に出品されたことが明らかにされています。印象派風の光の表現も認められることも特徴の一つです。
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