令和5年度トピックス展
関東大震災から100年 —災害の記憶を未来に伝える—
【会 期】
令和5年8月1日(火)~9月23日(土・祝)
休館日:毎週月曜日(8月7日、14日、9月18日を除く)、9月19日(火)
【場 所】
千葉県立中央博物館 房総の歴史・自然と人間のかかわり展示室前廊下
入場料 8月1日(火)〜9月18日(月・祝)
一般800円(640円) 高校生・大学生400円(320円)
9月20日(水)〜23日(土・祝)
一般300円(240円) 高校生・大学生150円(120円)
中学生以下・65歳以上の方・障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1人は無料
※( )内は20名以上の団体料金
【協 力】
東京大学地震研究所、国土地理院、日本地震工学会、
千葉県防災危機管理部
【巡回先】
*開場時間、入場料等につきましては、各施設の情報をご確認ください。
千葉県立中央図書館(令和5年9月30日(土)〜10月22日(日))
千葉県立西部図書館(令和5年10月28日(土)〜11月19日(日))
富津市役所(令和5年11月24日(金)〜11月30日(木))
千葉県立現代産業科学館(令和5年12月16日(土)〜令和6年1月7日(日))
令和5(2023)年は、関東大震災(大正12(1923)年)から100年を迎える年です。本震災では、本県でも南部を中心に大きな被害が生じました。そこで、改めて当地震の被害のようすや地震の科学的性質等を紹介し、県民のみなさまに来るべき次の同様な地震に対する備えの意識を持っていただければと思います。
主な展示内容
1. 大正関東地震はどのような地震だったか
関東大震災を引き起こした大正関東地震は房総半島の南方に存在する相模トラフから沈み込むフィリピン海プレートが引き起こした地震だと考えられており、震源は神奈川県の小田原市付近と推定されています。マグニチュードは7.9で、神奈川県から房総半島南部の広い範囲で震度7の揺れに見舞われました。
大正関東地震時の住宅全潰率(震度を反映) 諸井孝文・武村雅之(2002)地震工学会論文集より
地震に伴って、房総半島南部の大地が隆起しました。かつて海岸の波食台だった岩礁が、隆起によって海岸段丘となりました。
大正十二年関東震災地垂直変動要図 国土地理院 所蔵
大正関東地震で隆起・陸化した旧波食台(館山市見物)
2. 地震の被害のようす
関東大震災の被害は具体的にどのようなものだったのでしょうか。震災直後に発行された絵はがきと、震災被害やその後の復興の過程を記録した石碑の拓本を中心に紹介します。被害に遭った人々の将来世代の安寧に対する思いを感じていただければと思います。
震災絵はがき(1枚目から館山市北条海岸通り地裂、館山市北条市街、南房総市千倉付近鉄橋破壊)
震災関連石碑拓本(鋸南町保田 観音寺:昭和3年9月1日建立)
震災関連石碑拓本(館山市安東 熊野神社:大正15年9月1日建立)
3. 次の関東地震はいつ起こるのか
海岸段丘など過去の地震の記録の調査から、相模トラフ沿いの巨大地震の発生間隔は200〜400年程度と見積もられています。まだしばらくは大丈夫かもしれません。
ただし、千葉県に被害をもたらす地震としては、ほかにも南海トラフ地震や首都直下地震、九十九里沖の伊豆・小笠原海溝沿いの地震などがあります。南海トラフ地震は今後30年の発生確率が70〜80%と言われています。他の地震は、あまり予測ができていません。地震に対する備えを油断せずに進める必要があるでしょう。
千葉県周辺で発生すると予測されている地震の震源断層のいろいろ 平成26・27年度千葉県地震被害想定調査 報告書(千葉県発行)より
関連行事
講演会「関東地震とはどんな地震か?-房総の大地誕生の謎を解く鍵-」
大正12年9月1日の大正関東地震や江戸時代の元禄地震を引き起こした相模トラフ沿いで発生する「関東地震」の発生メカニズムや周期性等について演者の長年の調査結果をもとに示すとともに、それらが房総半島の大地の成り立ちとも大きくかかわっていることを紹介します。
講師:国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター 海溝型地震履歴研究グループ 宍倉 正展 博士
(現在:同センター連携推進室 出向中(国内連携グループ長))
日時:9月9日(土) 13:30〜15:30
場所:千葉県立中央博物館 講堂
申込方法:事前申込(抽選150名)お申し込みはこちら(申込期間:8月9日〜8月26日)
料金:無料
ミュージアムトーク
研究員が展示内容を展示室で解説します。
日時:8月6日(日)、13日(日)、20日(日)、9月3日(日)、23日(土)
各日とも 11:00〜11:30・14:30〜15:00の2回行います。