令和7年度トピックス展
民俗学の父・柳田國男
-本から読み解く 暮らしへのまなざし-
会 期 令和7年4月15日(火)~6月15日(日)
会 場 千葉県立中央博物館 第2企画展示室
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
入場料 一般300円 高校生・大学生150円
※次の方は無料:中学生以下・65歳以上の方(年齢を示すものをご提示ください)・障害者手帳をお持ちの方(手帳もしくは手帳アプリをご提示ください)及び介護者1名
令和7年(2025)は民俗学者・柳田國男(やなぎたくにお)の生誕150 周年にあたります。本展示では令和5 年(2023)に当館へ寄贈された柳田國男著作本初版コレクションを主な展示資料として、民俗学者・柳田國男と千葉の関わりや、柳田がなぜ民の暮らしに関心をもち、いかにしてそれを明らかにしようとしたかをご紹介します。また、本展示開催に向けた調査の中で発見された柳田の直筆原稿などを合わせ、約50点の貴重な資料を展示します。
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展示内容
第1章 幼少期の好奇心
利根川のほとりで幼少期を過ごした柳田国男は、そこで自然や書籍に親しむとともに、あるものを目にして衝撃を受けます。のちの柳田に影響を与えた、こども時代の体験を資料から辿ります。
主な展示資料:『利根川図志』『故郷七十年』(当館蔵)
第2章 「民の暮らし」への まなざし
官僚や朝日新聞社社員としての旅によって全国各地の暮らしに触れた柳田は、そこで見聞きしたことを発表し始めます。柳田の民俗学初期三部作をはじめ、暮らしの実態を調査し始めた時期の書籍を展示します。
主な展示資料:初期三部作と呼ばれる『後狩詞記(のちのかりことばのき)』『石神問答(いしがみもんどう)』『遠野物語』(当館蔵)
第3章 あつめて くらべる
柳田は、ことばの収集や全国各地での聞き書き調査などを行うことで、暮らしの実態を解明しようと取り組みました。千葉県を含む全国各地の沿岸集落30箇所を対象に実施された「海村調査」(昭和12年度~昭和14年度)で使われた採集手帖(てちょう)の内容や報告書をご紹介します。
主な展示資料:『採集手帖(沿海地方用)』『山村生活の研究』(当館蔵)、『海村生活の研究』(千葉県立中央図書館蔵)
第4章 こどもたちのことば
柳田はこどもたちが使う言葉へ興味を持つとともに教育にも関心を寄せ、小学校・中学校・高校用の国語や社会科教科書の監修にも携わりました。柳田監修の国語教科書の一部を展示します。
主な展示資料:『こども風土記(ふどき)』(当館蔵)、『あたらしいこくご』ほか柳田監修の国語教科書(御宿町蔵)
第5章 書籍を彩った人々―装幀・挿画・題字―
柳田編著作の装幀や挿画を手がけた人物についてご紹介します。柳田の弟である松岡静雄と松岡映丘(えいきゅう)がそれぞれ題箋(だいせん)と口絵を書いた『退読書歴(たいどくしょれき)』。装幀(そうてい)を恩地孝四郎、挿画を岡本帰一(きいち)や石井了介、早川孝太郎、橋浦泰雄などの画家が担当した『日本児童文庫』シリーズなどを展示します。
主な展示資料:日本児童文庫『日本昔話集(上)』、『退読書歴』(当館蔵)
第6章 柳田國男と千葉
利根川のほとりで幼少期を過ごした柳田は、その後も何度か千葉を訪れました。昭和16(1941)年に作家の水野葉舟が関わる印旛郡国語教育研究会に招かれて成田市の遠山小学校で講演をしたほか、柳田による最後の公開講演は千葉市で行われています。
また、兄の松岡鼎(かなえ)は医師として布佐町(現在の我孫子市布佐)の発展に寄与しました。彼やその兄弟たちと千葉との縁を紹介します。
第7章 生きものへのまなざし
柳田の関心は、身近な草花や野鳥をはじめさまざまな生きものや自然にも及んでいました。その呼び名の豊かさや、信仰や遊びの中でどのように使われていたかについても関心を寄せていました。著作に登場する生きものについて、標本と共にご紹介します。
主な展示資料:『野草雑記・野鳥雑記』(当館蔵)
柳田國男直筆原稿・メモ
本展示に向けた調査の中で、柳田直筆の原稿や執筆時のメモなどが新たに発見されました。これらの資料は現在中央博物館所蔵資料となっています。昭和12年(1937)刊行の『婚姻習俗語彙(こんいんしゅうぞくごい)』執筆にあたって書かれたと思われるメモ、昭和26年(1951)刊行『大白神考(おしらがみこう)』の原稿、『遠野物語』の語り手・佐々木喜善(きぜん)から柳田宛ての書簡、そしてロシア出身の言語学者・民俗学者であるニコライ・ネフスキーが柳田に宛てた書簡の封筒を展示します。
関連行事
ミュージアムトーク
研究員による展示解説を行います。
4月20日(日)、5月4日(日・祝)、5月17日(土)、5月31日(土)、6月14日(土)
各回11:00〜11:30 14:30〜15:00
当日申込、定員なし
料金 無料(別途入場料が必要です)
会場 第2企画展示室