令和4年度第3回中央博セミナー

令和4年度第3回中央博セミナーのご案内

千葉県立中央博物館では、職員の調査研究の成果を展示や教育普及事業を通じて、県民の皆さまにお届けするとともに、この中央博セミナーで調査研究の成果発表や調査レポートなどをお届けしています。どなたでもご参加いただけます。

日 時:令和5年3月15日(水)午後1時30分~
会 場:千葉県立中央博物館 本館1階 講堂(千葉市中央区青葉町955-2)
その他:当日受付、先着順150名、入館料不要。

 

発表1

発表者:平田和弘(主席研究員兼植物学研究科長)

タイトル:中央博物館・房総のむら・文化財課でやってきたこと

要旨:中央博物館職員としては、3回の異動を経験し、中央博物館においても、生態園科(管理棟→野鳥観察舎→オリエンテーションハウス)→教育普及課→→→企画調整課→教育普及課→植物学研究科と様々な部署を渡り歩いてきた。この中央博セミナーでは、その時々に力を入れてきた仕事について振り返る。
1988年に博物館準備室に配属されて、1989年2月に中央博物館開館。2000年ごろまでは管理棟で生態園の植生管理を行ってきた。1998年からは野鳥観察舎の管理も行った。
開館から1995年までは市原市自然環境調査の事務局と植物相調査もあった。
このころ、県内各地の植物相調査を行うとともに、千葉県生物学会の方々と一緒に自然環境調査も手掛けた。
2002年からオリエンテーションハウスで生態園の教育普及業務。2003年ごろから子供のための生態園事業が始まった。2005年本館の教育普及課として、生態園も含め、全館的な教育普及事業を目指した。
2008年から2011年度まで房総のむらで、考古学的な普及事業や「まつり」のかたわら、景観整備事業や自然観察ボランティアの立ち上げを行った。
2012年から2016年までは文化財課。天然記念物・名勝担当。前半は県指定文化財の補助事業事務、最後の年は日本遺産「北総四都市江戸紀行」の事務立ち上げ。この4年間に国の名勝2件、名称及び天然記念物1件の指定事務を行った。
2017年度に中央博物館へ異動。2019年度まで企画調整課。この間は事務をこなすことで手一杯。2020年度教育普及課でコロナ対策。2021年度から2022年度は植物学研究科。展示チームや収蔵庫管理について、遅ればせながら学んだ。
その時々について、それなりに考えてきたとも含め、お話ししたい。

hirata
房総のむらの風景

発表2

発表者:幅 大(自然誌・歴史研究部長)

タイトル:学芸員生活を振り返って-災害と博物館あれこれ-

要旨:定年を迎えるに当たって、これまでに担当した展示や資料収集などの活動を振り返るとともに、近年頻発する自然災害等で被災した博物館のレスキュー活動に関わった体験から、博物館が文化財レスキュー活動に果たす役割等について考えます。

haba
水害で被災した博物館の様子

発表3

発表者:髙梨俊夫(副館長)

タイトル:房総の古墳時代・縄文時代研究と埋蔵文化財行政を振り返る

要旨:1987(昭和62)年以来、文化財・博物館行政で取り組んできた研究課題を振り返ります。特に、古墳時代の埴輪の生産と流通および縄文時代の環状記念物に関する内容を中心に、これまでの知見をお話しします。また、携わった埋蔵文化財行政の軌跡を振り返ります。

takanashi
特別史跡加曽利貝塚の発掘調査風景(令和4年度現地説明会)

発表4

発表者:植野 英夫(館長)

タイトル:千葉県内の金剛力士像について

要旨:常設展示室「房総の歴史」では、著名な仏像彫刻の精巧な複製品5点を展示している。このなかで、本県の歴史、特に仏教美術史上の十分な調査・研究がされてこなかった金剛力士像について解説する。
県内に現存する金剛力士像の悉皆所在調査を基に、地域、造像年代等の特徴、そして像への信仰の実情を紹介し、金剛力士像に見る本県の豊かで多様な文化について報告する。 

ueno松戸市万満寺金剛力士阿形像_複製