令和7年度中央博セミナー

令和7年度中央博セミナーのご案内

千葉県立中央博物館では、職員の調査研究の成果を展示や教育普及事業を通じて、県民の皆さまにお届けするとともに、この中央博セミナーで調査研究の成果発表や調査レポートなどをお届けしています。どなたでもご参加いただけます。

第4回中央博セミナー

日 時:令和7年12月11日(木)午後1時30分~
会 場:千葉県立中央博物館 本館1階 講堂(千葉市中央区青葉町955-2)
その他:当日受付、先着順150名、入場料不要

発表1

発表者:半澤 幹雄

タイトル:房総のやぐら

要旨:中世の横穴式の埋葬施設、供養施設であるやぐらは、鎌倉地域に多く残されておりますが、房総半島にも見られます。千葉県教育委員会が実施したやぐら調査から房総半島のやぐらを紹介し、中世東国の中心であった鎌倉との関連性について考えま

発表2

発表者:猪野 義信

タイトル:日本遺産と文化観光

要旨:「日本遺産」って、知っていますか?実は千葉県にも一つ、「北総四都市江戸紀行」という日本遺産があります。文化財の活用と言われて、だいぶ経ちますが、文化観光とも絡めながら、今後の地域振興や観光振興の課題等について、お話します。

発表3

発表者:小出 康裕  ※体調不良につき、本日の発表はございません

タイトル:糖?レクチン?海洋無脊椎動物の糖鎖生物学研究

要旨:細胞の表面には、糖が鎖のように連なった糖鎖が様々な形で存在しています。この糖鎖を特異的にキャッチするタンパク質、レクチンは全生物界で発見されています。海洋無脊椎動物は動物の祖先に近く、すなわち進化の基盤となる遺伝子を持っており、それらのレクチンの構造や結合する糖鎖を明らかにすることは、生物におけるレクチンの役割の解明につながると考えられます。今回、海洋無脊椎動物から発見された、レクチン・糖鎖およびその役割、生命科学への応用、発表者のバックグラウンドと合わせ紹介します。

第3回中央博セミナー

日 時:令和7年11月27日(木)午後1時30分~
会 場:千葉県立中央博物館 本館1階 講堂(千葉市中央区青葉町955-2)
その他:当日受付、先着順150名、入場料不要

発表1

発表者:四柳 隆

タイトル:房総半島の洞窟遺跡

要旨:はじめに、洞窟の成因や種類、環境等の特徴について紹介するとともに「洞窟遺跡」とは何かを定義し、世界で著名な洞窟遺跡について触れた後、日本各地の洞窟遺跡について時代を追って解説します。つづいて、千葉県内で見つかっている洞窟遺跡について分布する地域ごとにまとめ、それぞれ主体となる時期や遺跡の性格、出土遺物の特徴等に触れて、洞窟利用の変遷について解説します。

発表2

発表者:黒田 篤史

タイトル:いつ日本列島に人が来たのか?

要旨:日本列島には約4万年前に大勢の人が来て、定着したことがわかっています。しかし、それ以前に人はいなかったのでしょうか?国内の旧石器時代の遺跡は約25,000、うち30程度が4万年を遡る可能性があります。その一つ岩手県金取遺跡の調査を中心に「いつ日本列島に人が来たのか?」を解明するための研究動向を紹介します。

発表3

発表者:内海 幸弘

タイトル:水生昆虫にまつわる最近の話題

要旨:近年、全国的に水生昆虫の減少が進んでいます。本講演では、まず日本産水生甲虫類を例に挙げてその現状を概観し、絶滅の危機にある種や減少要因、保全の取り組みについて取り上げます。次に、近年分類学的整理が進んだグループを取り上げ、新たな知見や課題について解説します。あわせて、演者が各地で実施してきた調査・研究についても紹介します。

 

第2回中央博セミナー

日 時:令和7年9月25日(木)午後1時30分~
会 場:千葉県立中央博物館 本館1階 講堂(千葉市中央区青葉町955-2)
その他:当日受付、先着順150名、入場料不要

発表1

発表者:中川由莉

タイトル:古代房総の地域社会

要旨:現在の千葉県域は、古代には、上総国・下総国・安房国の三国で成り立っており、
これらの国名により「房総」と呼ばれています。今回のセミナーでは、国家の中心が平城京にあった奈良時代、そこから遠く離れた房総とは、どのようなところであったのか、史料から概観してみます。また、文献史料のほか、発掘調査成果をあわせて検討することで考えられるであろう古代房総の姿について、展望をお話しします。

発表2

発表者:二葉俊弥

タイトル:台湾の博物館

要旨:今年度から当館の配置になりました。今回のテーマは、台湾の博物館についてお話しさせて頂きます。台湾は時代によって様々な為政者がいましたが、博物館が本格的に設置され始めたのは日本が統治するようになったことがきっかけでした。
戦後、日本の統治が終わっても建物をそのまま引き継いで、現在も博物館として運用されているものまであります。そうした台湾の博物館の歴史や背景などをご紹介したいと思います。

発表3

発表者:中松れい

タイトル:

資料のデジタルアーカイブについて-日記資料での実施報告

要旨:令和62024)年度開催の千葉県立美術館開館50周年記念特別展「浅井忠、あちこちに行く‐、むすばれる人、つながる時代‐」に関連し、作品のみならず浅井忠(1856-1907)という人物を紹介する機会として、また、改正博物館法で明記されたデジタルアーカイブへの取り組みの実践として、「浅井忠日記資料デジタルアーカイブ」を作成しインターネット上で公開した。本セミナーでは、その経緯と設計、主な内容について紹介する。

 

第1回中央博セミナー

日 時:令和7年7月24日(木)午後1時30分~
会 場:千葉県立中央博物館 本館1階 講堂(千葉市中央区青葉町955-2)
その他:当日受付、先着順150名、入場料不要

発表1

発表者:武知邦博

タイトル:スリッパから見る文化の変容

要旨:今年度から当館に着任しました。これまで日本はきもの博物館・枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館・兵庫県立兵庫津ミュージアムで民俗担当の学芸員として勤務してきました。施設によって展示内容は異なりますが、いずれの館でも「文化」が人の交流によって成り立ち、変容することを感じています。今回は、身近な「スリッパ」を通して、こうした様子を紹介します。

発表2

発表者:奈良場春輝

タイトル:岩手県一関市域におけるオカミサマの習俗と現在

要旨:死者の霊を憑依させ生者に語りかける口寄せ、祈祷や占いといった巫業を営む宗教者たち。発表者がメインフィールドとしてきた岩手県一関市においても、オカミサマと呼ばれる、視覚に何らかの障害をもつ女性宗教者が、地域住民の宗教的ニーズに応えてきました。彼女らは、家族や地域住民とのかかわりのなかで、いかに巫業を続けてきたのか。本セミナーでは、当地におけるオカミサマの習俗を概観するとともに、今後の調査研究の展望について紹介します。