2-1.海岸生地衣類図鑑:生育形別

(形から探す)

2-1-2. 葉状地衣

 

日本産の海岸生葉状地衣として16種が認められました(文献).中には海岸との結びつきが強い種もありますが,必ずしもそうでない種もあるようです.今後研究が進めば,種数はさらに多くなることが予想されます.

(文献)原田浩・坂田歩美・吉川裕子.2020.日本産海岸生地衣類図鑑(1)大型地衣類.Lichenology 18(2): 59-78.

葉状地衣を①から⑨の9つのグループに分けました.すぐ下の表で,まず①に当てはまれば①へ,当てはまらなければ②に当てはまるか,次に③,④,⑤の順に調べます.それでも当てはまらなければ,⑥から⑨のどれに当てはまるか比較します.

その表の左端の①~⑨の番号から,それぞれのグループにジャンプします.

和名や,グループ名の後の「」は,それぞれの図鑑にリンクしています.

※形態(体の造り)の説明は,関連ページ「地衣類って何?」の中の「地衣類の体の造り」をご覧ください.

 
  共生藻はラン藻 黒っぽく,濡れるとワカメのよう(白い髄層なし)
  共生藻はラン藻 濡れてもワカメのようにはならない(白い髄層あり)
  共生藻は緑藻 裂片は大きく丸い.背面は灰白色から灰緑色,裂芽がある
  共生藻は緑藻 裂芽がある.背面が黄色(ウスニン酸)
  共生藻は緑藻 裂芽がある.髄層が黄色い
  共生藻は緑藻 小裂片がある
  共生藻は緑藻 粉芽がある
  共生藻は緑藻 パスチュールがある
  共生藻は緑藻 裂芽・粉芽・小裂片はない
共生藻はラン藻 黒っぽく,濡れるとワカメのよう(白い髄層なし)

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collema
Collema furfuraceum フクレトゲカワホリゴケ(
collema
Collema subflaccidum トゲカワホリゴケ(
→イワノリ科(
共生藻はラン藻 濡れてもワカメのようにはならない(白い髄層あり)

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pannaria
Pannaria lurida テツイロハナビラゴケ(
 
共生藻は緑藻 裂片は大きく丸い(幅5mm以上).背面は灰白色から灰緑色,裂芽がある

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tinct
Parmotrema tinctorum ウメノキゴケ(
tinctorum
標本の一部拡大
共生藻は緑藻 裂芽がある.背面が黄色(ウスニン酸)

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botryoides
Xanthoparmelia botryoides フサナリキクバゴケ(
claviculata
Xanthoparmelia claviculata ノルロバリドンキクバゴケ(
coreana
Xanthoparmelia coreana ウスイロキクバゴケ(
saxeti
Xanthoparmelia saxeti ハマキクバゴケ(
裂片の幅は1㎜以下で,基物に密着し,偽根は認められない.
 

灰色帯にはキクバゴケ属の複数の種が出現する.Xanthoparmelia saxeti ハマキクバゴケ以外は,化学成分を調べないと同定は難しい.

  →キクバゴケ属(
共生藻は緑藻 裂芽がある.髄層が黄色い

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pyxine
Pyxine endochrysina ウチキクロボシゴケ(
 
共生藻は緑藻 小裂片がある

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exornatula exornatula

Phaeophyscia exornatula

チヂレクロウラムカデゴケ(

標本の一部拡大.裂片の縁に小裂片がある.
 
共生藻は緑藻 粉芽がある

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applanata
Dirinaria applanata コフキヂリナリア(
melanchra
Physciella melanchra ムカデコゴケ(
coreana
Phaeophyscia limbata クロウラムカデゴケ(
albicans
Physcia albicans シマムカデゴケ(
diploicia
Diploicia canescens オオバスミイボゴケ(
 

⑤,⑥,⑦,⑨は広い意味でのムカデゴケの仲間.しっかりと観察すれば,形態だけで同定できる.

  →ムカデゴケの仲間(
共生藻は緑藻 パスチュールがある

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leucotyliza leucotyliza

Myelochroa leucotyliza

ヒカゲウチキウメノキゴケ(

左の写真の一部拡大.パスチュールがひしゃげている.
 
共生藻は緑藻 裂芽・粉芽・小裂片はない

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spinellosa spinellosa

Phaeophyscia spinellosa

メラクロウラムカデゴケ(

 
 
 
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