地衣類は菌類と藻類が共生してできていますが,菌類として分類されています(※1).
世界では1万5千種から2万種程度あるとされ,2004年時点で日本からは約1602種が記録されています(文献1). (※2)
日本産地衣類のほとんどは子嚢菌類で15目69科315属1597種,残りのごくわずかが担子菌類で2目3科3属5種
のみです(文献2).子嚢菌類(※3)の地衣類を子嚢地衣,担子菌類(※3)の地衣類を担子地衣といいます.

 

※1(●)地衣類の学名が菌類のものであることになった経緯については,こちらをご覧ください

  ※2(●)ウェブ図鑑を制作中です:「日本の地衣類(ウェブ図鑑)」へのリンク
 

※3(●)子嚢菌類と担子菌類の簡単な説明はこちらでご覧ください

heragata-300 lichenom
ウメノキゴケ(子嚢地衣) アオウロコタケ(アオウロコゴケ)(担子地衣)
hirohasennin multi
ヒロハセンニンゴケ(子嚢地衣) シラウオタケ(担子地衣)

共生藻についてはどうでしょう?普段目にする多くの地衣類では,共生藻は緑藻です.特に多いのが,トレボウクシアという仲間です.また,ラン藻(シアノバクテリア)が共生藻となっているものもあります.

  このことについて,もう少し詳しくは
 

→(●)「地衣類のフォトビオント(共生藻)」のページへ

(文献1)原田浩・岡本達哉・吉村庸/ 2004/ 日本産地衣類および関連菌類のチェックリスト
     / Lichenology 2(2): 47-165.
(文献2)吉村庸・原田浩・岡本達哉・松本達雄・宮脇博巳・高橋奏恵/ 2006/ 日本産地衣類の分類体系
     / Lichenology 5(2): 95-110.