教育普及事業
●1.講座・観察会

地衣類について学びたい方のために,初心者でも参加できる講座・観察会を開催します.

年度ごとに状況は異なりますので,実施する行事については博物館のホームページをご覧ください.

 
◆◆観察会
★観察会は初心者向けで,小学生は保護者同伴で参加できます.種類の区別だけでなく,時には地衣類の様々なこと,ルーペの使い方まで解説します.
★これまでに県内各地の次のような場所で開催しました.千葉市(青葉の森公園,昭和の森,泉自然公園,県立中央図書館・亥鼻公園周辺),東金市(八鶴湖周辺),佐倉市(佐倉城址公園),市原市(市民の森),富津市・鋸南町(鋸山),南房総市(大房岬),鴨川市(清澄寺),館山市,銚子市.
 
◆◆初心者向けの講座

★初心者向けの講座を開催してきました.その代表は「地衣類って何?」です.他にも,「地衣類の顕微鏡観察」なども実施しました.

 
◆◆上級者向けの講座「地衣類の分類」
分類あるいはそれに伴う技術を使用した研究テーマを講師と相談して決め,年間を通して実習します.使用する標本は原則として受講者が用意し,調べていく過程で生じた問題について,講師が指導していきます.パラタクソノミスト養成に一役買っています.(2023年まで原田浩が担当している)
 
◆◆市民研究員の受け入れ
「地衣類の分類」受講者をはじめとする,地衣類の研究をしたい方を市民研究員として受け入れています.地衣類担当の職員が研究の指導をします.パラタクソノミスト養成に役立っています.
 
 
●2.コケサークル(地衣類)
★友の会の「コケサークル」はセンタイ類と一緒のサークルでしたが,多くの観察会は,地衣類とセンタイ類で別々に実施しました.主に県内で開催しましたが,栃木県(日光市,奥鬼怒)で開催したこともありました.
観察会

「コケサークル」の観察会

市原市民の森にて

★友の会解散後はセンタイ類とは別れ,中央博サークルの一つ「コケサークル(地衣類)」に生まれ変わりました.主に年に2ないし3回程度の観察会を県内で実施します.また,県内での地衣類相調査を実施することもあります.
●3.教育普及記事の執筆等
◆◆執筆

地衣類を題材にした様々な文章を書いています.独自に撮影した写真や,作成した図を使う機会が多く,地衣類そのものの紹介だったり,展示の解説・紹介,研究成果や調査旅行を紹介することもあります.

★「校庭のコケ」(全農教,2002年刊.地衣類を原田が分担)ほとんどが千葉県内で撮影した地衣類です.関東平野をはじめとする暖温帯の代表的な地衣類を調べるのに適しています.

★「地衣類ってなあに?」.平成30年度秋の展示「房総丘陵はすごい」(2018年)のときに,地衣類をやさしく紹介するパンフレットとして展示室に置きました.
★当館の企画展示に関連した出版物の一部.「ブナ林の自然誌」(平凡社刊),「野の花今昔」・・・
★当館の展示解説シート.「植物誌ノート」
★当館と,関連する団体等の出版物,「中央博だより」,「友の会ニュース」(廃刊),「しいむじな」の記事.
★日本地衣学会ニュースレターの記事.

◆◆地衣類の紹介→

「地衣類ってなあに?」

 

◆◆教育普及記事→

<2019~2020年>

<2009~2018年>

<1989~2008年>

◆◆ウェブコンテンツの制作

調査研究の成果を紹介し,その情報の活用を図るため,千葉県立博物館デジタルミュージアムの以下のコンテンツを制作しています.

★「地衣類って何?」2018.5,公開

★「房総の地衣類誌」2019.5,公開
★「海岸生地衣類」2020.9,公開
★「千葉県立中央博物館に収蔵される地衣類のタイプ標本」(通称:「地衣類のタイプ標本」)2021.2,公開
★「淡水生地衣類」2021.6,公開
★「日本の地衣類(ウェブ図鑑)」2022.6,公開.サブコンテンツとして,「日光の地衣類」,「上田市(長野県)の地衣類」,「長崎県の地衣類」,「屋久島の地衣類」なども整備中です
★「地衣成分」2022.8,公開
★「石灰岩生地衣類」2023.5,公開
 
●4.マスコミ等への対応
◆◆テレビ番組等の対応
★「イワタケ」を扱ったテレビ番組への取材対応をしました(複数回).
★「トナカイとハナゴケ類」を扱った番組への取材対応をしました.
★「リトマスとリトマスゴケ」を扱った番組の取材対応をしました.
★国立歴史民俗博物館くらしの植物苑観察会で「地衣類って何?」(2018年5月26日)の講師を務めたときのことが,NHK首都圏ネットワークの「いってみよう いってみたい」コーナー(2018年6月8日)などで取り上げられました.
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ときにテレビで幻の食材として話題になるイワタケ

トナカイの餌となるミヤマハナゴケ

リトマスの原料となるリトマスゴケ

 
●5.博物館実習,職場体験学習の対応
◆◆職場体験学習(中学生)の地衣類調査体験プログラム

2015年(H27)から2018年(H30)に原田が担当した5校については,中学生2ないし3名を対象として,2日連続で対応しました.このとき事前に以下のような宿題を出しました.

 ①テキストとして「校庭のコケ」(全農教刊)を貸与するので,これをよく読んでおく.

 ②これを参考にして,校庭あるいは学校の周辺で地衣類を採集する.採集品は職場体験学習当日に持参する.

当日は,採集品を原田が検査・同定した後,標本化を体験していくことになります(地衣類でない場合は,標本にしない).ラベルのデータのうち,緯度経度はGoogleマップを使って調べます.

時間と天候が許せば,隣接する青葉の森公園で地衣類の野外観察を実施します.

この一連のプログラムによって,調査研究事業の「房総の地衣類誌」の中で実施している県内の地衣類の分布調査の一部を体験することになります.

◆◆職場体験プログラムの例→

<2018年>

◆◆博物館実習(大学生)のプログラム
職場体験学習のプログラムが理想的なのですが,同一の学生を2日間にわたり対応することがないと実施できません.
1日のみ対応する場合には,標本作製の過程と標本の配架などの作業を体験していただくことになります.
 
●6.質問への対応
◆◆市民等からの質問
★質問は随時受け付けております.ただし,地衣類担当の職員が在籍しているか,出勤しているかなど,まず,博物館にお問い合わせください.
★写真による同定の相談.画質が良ければ同定できる場合もあります.
★標本の同定相談.状態が良い標本でも,研究が進んでいないグループも多いため,同定できない場合があります.乾燥させてお持ちください.特に夏場は,濡れたままビニール袋に入れておくと腐ります.