千葉市で数年かけて計測した例では,ウメノキゴケ科やムカデゴケ科の葉状地衣では,年間に3~5mmでした(文献1).痂状地衣ははるかに遅く,ニセモジゴケはほとんど成長が確認できませんでした.
欧米の研究によると,葉状地衣では日本と同程度の成長(1.68~6.98 mm)を示す種類が多いのですが,カブトゴケ属の一種では9.4 mm,アカツメゴケでは25.0~27.0 mmと早く,逆にイワタケ属の一種では0.17 mmと遅いものもあります.痂状地衣では1 mmにも満たない種類が大半で,中にはチズゴケのように0.1 mmにも達しない例も示されています.(文献2) |
|
 |
ウメノキゴケ科の葉状地衣(右)はゆっくり成長するが,痂状地衣(左)ははるかに遅いようだ |
|
(文献1)安斉唯夫・原田浩. 2001/ 地衣類数種の1年間の生長量と計測法の試行./ 千葉生物誌 51(1): 32.
(文献2)Hale M.E.Jr. 1983/ The biology of lichens 3rd ed., pp. 79–80./ Edward Arnold, London. |
|