鉄といってもいろいろな鉄があります。鉄は，ほかのものと結びつくとさまざまな性質に変化します。高熱に耐（た）える鉄，まさつに強い鉄，さびない鉄，加工しやすい鉄，表面をメッキした鉄，プラスチックで保護（ほご）した鉄，振動（しんどう）の少ない鉄，磁気特性（じきとくせい）のよい鉄などです。このように古くから人間が利用してきた金属（きんぞく）である鉄は，様々に姿（すがた）を変えて私たちの生活を支（ささ）えています。そのうちいくつかを紹介（しょうかい）します。

港湾（こうわん）工事,埋（う）め立て工事,河川（かせん）工事等に使用される鉄鋼です。さびを防ぐため,銅（どう）を0.25%以上含む鋼でつくられています。 厚さ6mm以上の鋼板を厚板と呼んでいます。主な用途は,造船（ぞうせん）,車両,橋,タンク,ボイラー,自動車など広範囲にわたっています。 ガス,水道,蒸気,油,空気などの高い圧力に耐えるところの配管に使用されます。

橋,地下鉄,建築,船,機械などの構造材や岸壁,高速道路,橋,建築などの基礎杭（きそくい）としても用いられています。国内では,1959年に初めて製造されました 厚さ3mm以下の鋼板の呼び方で亜鉛（あえん）,メッキ鋼板(トタンなど),すずメッキ鋼板(ブリキなど),クロムメッキ鋼板(飲料缶など),アルミニウムメッキ鋼板などがあります。 クロム11%以上を加えた鋼です。さびにくく，浴槽（よくそう），台所用品,家電部品などに幅広く用いられています。