勝浦沖で見つかったモガニの仲間、「フタバイボガニ」に関する論文を発表しました。

勝浦沖で見つかったモガニの仲間、「フタバイボガニ」
千葉県では、初記録!

概要:
 モガニ科の1種、フタバイボガニ Oxypleurodon bidens (Sakai,1969) は、三重県熊野灘産の1個体に基づき、昭和44 (1969) 年に新種として記載されました。その後、伊豆諸島の三宅島と伊豆大島からしか見つかっていない、世界的にも珍しい種類です。令和3 (2021) 年11月、日頃から珍しい生きものが獲れると当館に提供してくださる地元・勝浦の漁師さんから、フタバイボガニの雌1個体をいただきました。キンメダイ漁の釣り針に水深 540 m の深海に落ちていたテグス(釣り糸)の塊がかかり、そこにカニが着いていたのです。世界で4例目、千葉県では初めての記録となるため、以下のとおり、学術論文として報告しました。大海原の深海でいくつもの偶然が重なり、このカニが千葉県沖に生息していることを確認することができました。

論文題名:
Additonal record of a bizarre crab, Oxypleurodon bidens (Sakai, 1969) (Crustacea: Decapoda: Epialtidae) from off Katsuura, Boso Peninsula, Japan

著者:
Okuno, J.(奥野淳兒)

掲載誌:
Biogeography

掲載巻、ページ、発表年:
24巻、 84  86 pp. (2022)

フタバイボガニ

当館に所蔵されているフタバイボガニの標本(背面)

 

このページのお問い合わせ先
海の博物館