龍角寺古墳群は、115基の古墳で構成されています。そのうち、敷地内には78基が保存されており、遊歩道を歩きながら、それらの古墳を間近に観察することができます。豊かな自然環境に囲まれた総面積約32haの風土記の丘エリアには、復元古墳「龍角寺古墳群第101号古墳」などがあり、風土記の丘資料館の展示室でも貴重な出土品を見ることができます。
龍角寺古墳群第101号古墳
この古墳は、印旛沼を望む高台に造られています。発掘調査の成果を基に、埴輪の位置を復元しました。
円筒埴輪は120個体以上あり、墳丘をめぐっています。形象埴輪は、30個体あり、台状部両脇の堤に集中しています。人物埴輪には、盾持ち武人・椀を捧げる女子・帽子を被る男子など、動物埴輪には馬・鹿・犬・猪・水鳥があります。これらの埴輪は、死後の世界との境界や葬送の儀式の様子を表しています。
埋葬施設は、全部で5基あり、碧玉の管玉・金箔を貼った耳環などの装身具、鉄製の馬具、直刀・鉄鏃などの武器が副葬されていました。
101号墳は、埴輪や土器、副葬品の特徴から、6世紀前半に築かれ、7世紀初めまで何回も埋葬が行われたことがわかりました。
史跡岩屋古墳(国指定史跡)
岩屋古墳は、墳丘の一辺約80m、高さ13mの全国一の規模をもつ方墳です。
3段に盛られた墳丘は、まるで階段ピラミッドのようです。周囲には2重の堀がめぐり、その範囲は東西108m・南北96mに及びます。
南側の墳丘の裾に2基の横穴式石室が並んでいます。貝化石を多く含む軟質の砂岩を切り出して積み上げた特異な石室で、天井が極端に狭くなる構造です。
墳丘と石室の構築には、高度な土木技術が必要だったことが良くわかります。江戸時代から入り口が開いていたため、副葬品が全く遺っていないのが残念です。
※史跡岩屋古墳の管理は栄町となりますので、お問合せ先にご注意ください。