●じょしゅ これは十六島の米づくりの写真だね。上が昭和30年ごろ、下が平成のはじめごろのようすだね。
●はかせ まわりを大きな川にかこまれた十六島は、ちょうど水の中にうかんだ島のようだね。左の図は土地改良前のようすです。2メートルほどの細い道路をのぞくあとは「エンマ」とよばれる水路ばかり。だから、となりの家へいくにも、学校へ通うのにも小さな橋をいくつも渡るか、舟でいくよりほかに方法がなかったんだよ。
●じょしゅ 水にかこまれたくらしだったんですね。
●はかせ そう。飲み水やせんたく、おふろの水も川の水を使っていたんだ。でも、農家の人々にとってこまったことは、毎年毎年くりかえしおそってくる水害だね。水は、人々のくらしをささえ、多くの恩恵をあたえてくれる反面、ときとして命をおびやかし、大きなわざわいをもたらすものでもあったんだよ。でも、人々はみんなで協力しあい、くふうと努力を重ねながら水郷の早場米地帯としての十六島の農業を守りつづけたんだ。
●じょしゅ 大変なときにはみんなで協力しあっていくことが大切なんですね!この写真をみるとずいぶん今とはようすがちがうなぁ。
●はかせ 上の年表でもわかるように、土地改良の仕事がはじめられたのは、昭和39年から。そして現在では、右の図のようにすっかり変わっているよ。
農業のしかただけではありません。生活も、まわりのようすもむかしのおもかげはありません。