Japanese craftsman

館蔵美術品紹介(絵画)

section03: Japanese craftsman

職人に関する作品

平成10年度特別展「職の風景」の開催にあたって収集された、職人に関する作品をご紹介します。

◆洛中洛外図屏風
(らくちゅうらくがいずびょうぶ)

-員数:6曲1隻
-時代:江戸時代
-サイズ:92.7mm×2562mm
-作者:-

<解説>

洛中洛外図は、京都とその郊外の名所を配置し、市中の庶民の生業や町の賑わいなどを克明に描いたものです。室町末期から江戸時代に、屏風や巻物の形で数多く制作されました。 本資料は、もともと六曲一双だった屏風の左隻(させき)にあたるもので、二条城を中心に、北山・西山を背景とした洛中洛外の西半分が描かれています。失われた右隻(うせき)には、祇園会(ぎおんえ)を中心に、東山を背景とした内裏(だいり)と洛中の東半分が描かれていたと思われます。 屏風の右側にあたる第一扇・第二扇には、上部に金閣寺と御室の仁和寺が描かれ、その下に北野社とその参道の賑わいが描かれています。 屏風の中央、第三扇・第四扇には、徳川氏の権力の象徴としてひときわ高く二条城が描かれ、その門前の堀川通りには、寛永3(1626)年に行幸した後水尾天皇の行列が描かれています。二条城行幸は一大イベントとして、これ以後の洛中洛外図の主要なモチーフになりました。 屏風の左側、第五扇・第六扇では、大堰(おおい)川が右上から左下へと流れ、その右岸には松尾社が参詣の人々で賑わっています。大堰川を船が下り、上流には筏流しも見られます。

洛中洛外図屏風