研究紹介コーナー
千葉県立中央博物館は、「地域の市民と共に、自然と歴史に関わる資料・情報を収集・蓄積するとともに、基礎的・国際的視野に立つ科学研究により、その新たな価値を発見し、教育、展示その他全ての博物館活動を通して県民や社会へ発信し、県民共有の知的資産として未来へ伝える。また、千葉県の中核的総合博物館として、さまざまな市民の幅広い知的ニーズに応えつつ、双方向の交流を通して、その生涯学習拠点となる」という博物館の使命(全文はこちら)に基づき、調査・研究活動を行っています。
本ページでは、研究員の研究成果を紹介します。
地学
銚子市の白亜紀の地層から海水魚類の耳石化石を発見 -千葉の大地から探る恐竜時代の魚類化石-(2024.5.30)
[担当:伊左治 鎭司]
県立中央博物館(千葉市)の伊左治 鎭司企画調整課長(兼)研究課長と城西大学、富山大学の研究グループは、千葉県銚子市の中生代白亜紀バレミアン期の地層から、海水魚類の耳石化石を発見しました。バレミアン期の耳石化石の発見は世界初であり、耳石から5種類に分類される海水魚類は、いずれも東アジアから初めて発見された種類です。
この研究成果は、2024年4月に国際学術誌Palaeontologia Electronicaで公開されました。
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約3000万年前の地層中の生痕化石内部に保存された放散虫化石(2024.3.29)
[担当:菊川 照英]
種子島に分布する約3000万年前の地層中の生痕化石を詳細に研究した結果、①その内部の特定部位に珪質微化石が集中して保存されていること、②生痕化石内部の方が外部よりも微化石の保存状態が良好なこと、③微化石が生痕化石形成過程で内部に取り込まれた結果、保存状態を悪化させる要因から保護された、ということが新たに分かりました。
本研究の成果は2024年1月16日に国際学術誌「Revue de Micropaléontologie」にオンライン公開されました。
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白亜紀の地層から読み解く、汽水から淡水環境への貝類群集の変遷(2024.1.1)
[担当:伊左治 鎭司]
中生代白亜紀の地層である手取層群を対象に、汽水から淡水へと堆積環境が移り変わるにつれて、貝類群集がどのように変化したのかを調査し、以下のような変遷を読み取ることができました。 1. 汽水環境が広がる内湾には、シジミ類やネオミオドン類などが生息した。2. 内湾に流れ込む河川の三角州上流に新しい淡水環境が形成されると、イシガイ類やタニシ類などがいち早く侵入した。 3. 河川が蛇行して氾濫原を形成し湖沼や湿地が広がると、サカマキガイ類やミズシタダミ類、ヒラマキガイ類のような小型巻貝が分布を広げた。4. 湿地にはオカミミガイ類などの陸生傾向を示す巻貝も出現し、貝類相が多様化した。
この研究成果は、2024 年 1 月 1 日発行の日本古生物学会の国際学術誌「Paleontological Research」(パレオントロジカル・リサーチ)にて出版されました。
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恐竜時代のシロアリの糞化石を発見!(2023.3.31)
[担当:伊左治 鎭司]
千葉県銚子市に分布する下部白亜系銚子層群からシロアリ類のコプロライト(糞の化石)が発見されました。シロアリ類のコプロライトは、大きさが1 mmに満たないことと、六角形の断面を持った樽のような形が特徴です。シロアリ類のコプロライトは、50年以上前から世界各地の地層で発見されていましたが、日本からは報告されていませんでした。銚子層群のシロアリ類のコプロライトは、日本初の発見であるとともに、アジアにおける下部白亜系からの2例目の産出記録となります。この研究の成果は2023年3月に「千葉県立中央博物館研究報告」にて出版されました。
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テタヌラ類に属する獣脚類恐竜の歯化石(2023.2.15)
[担当:伊左治 鎭司]
平成21年(2009年)に福井県大野市下山の手取層群伊月層より発見された獣脚類恐竜の歯化石について、東京農工大学科学博物館の上田裕尋特任助教を中心とした研究グループが、最新のデータを基に形態計測及び分岐分析による研究を進めたところ、本標本がテタヌラ類に分類される恐竜のものであるという同定結果に至りました。この研究の成果は2023年1月に「Paleontological Research(パレオントロジカル・リサーチ)誌(日本古生物学会発行の国際学術雑誌)」にて出版されました。
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岐阜県高山市で新種の恐竜卵殻化石を発見! 〜小型肉食恐竜の存在が明らかに〜(2022.11.24)
[担当:伊左治 鎭司]
当館の伊左治鎭司主任上席研究員が、筑波大学などの研究者との共同研究により、岐阜県高山市で、新種の恐竜類の卵殻化石を発見、命名しました。トロオドン科の種は、手取層群においては初めての発見で、国内最古の恐竜類の卵殻化石であることが分かりました。
本研究成果は、2022 年 11 月 24 日付で国際学術誌「Historical Biology」にて発表されました。
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チバニアン期の地層から海鳥の化石を発見!(2022.2.19)
[担当:伊左治 鎭司]
当館の伊左治鎭司主任上席研究員と、東京大学総合研究博物館の研究者との共同研究により、房総半島に分布する市宿層(更新世チバニアン期の初期に堆積した、約70万年前の地層)から産出したミズナギドリ科鳥類の胸骨化石が報告されました。
この研究成果は、2022年1月1日発行の日本古生物学会の国際学術誌「Paleontological Research」で発表されました。
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博物館の収蔵庫から新種の巻貝化石を発見!(2022.1.8)
[担当:伊左治 鎭司]
当館の伊左治鎭司主任上席研究員が、当館が所蔵する銚子市産の岩石から、殻の長さが1cmに満たない微小な巻貝化石を多数発見し、6種を新種として記載しました。この成果は、令和4年1月1日に、国際学術誌「Paleontological Research」に論文として掲載されました。
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恐竜卵殻化石の共同研究発表について(2021.7.3)
[担当:伊左治 鎭司]
当館の伊左治鎭司主任上席研究員が一員となっている研究グループは、岐阜県高山市荘川町で発見された化石が、国内最古の恐竜類の卵殻化石であることを確認しました。本研究成果は世界的にも珍しい発見で、恐竜類の進化や生態を考える上で重要であるとして、令和3年7月3日の日本古生物学会(オンライン開催)で発表されました。
発表タイトル:「岐阜県高山市荘川町から産出したカメ類・恐竜類の卵殻化石」
発表者:
植松 里菜(筑波大学大学院生命環境科学研究科地球科学専攻)
田中 康平(筑波大学生命環境系助教)
髙津 翔平(岐阜県博物館主任学芸員)
伊左治鎭司(千葉県立中央博物館主任上席研究員)
下島志津夫(高山市)
共同研究における当館職員の役割:
研究資料とされた卵殻化石の一部が、2000年に当館職員の伊左治が予察研究を行った資料であるほか、2009年に現地で採集した卵殻化石を、当該研究の追加資料として提供した。また、卵殻が含まれる地層の堆積環境の考察に関わった。
動物
房総半島沖の浦賀水道・相模湾から新種のアナエビ類を発見(2024.4.3)
[担当:駒井 智幸]
県立中央博物館(千葉市)の駒井智幸地域連携課長は、房総半島沖の浦賀水道・相模湾からアナエビ科カイメンヤドリアナエビ属の新種を発見し、「ビャクガンヤドリアナエビ(白眼宿穴蝦)」と名付けました。
カイメンヤドリアナエビ属はいずれも深海に生息し、キヌアミカイメン類の群体を住処に利用することが知られています。当該海域からはすでに本属の2種が報告されていましたが、DNA解析により新種の存在が明らかとなりました。
この研究成果は、2024年3月8日に国際学術雑誌Zootaxaで公開されました。
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琉球列島における爬虫類の一新種〜やんばる固有の新種ヤンバルトカゲモドキ〜(2024.3.1)
[担当:栗田 隆気]
当館の 栗田 隆気 研究員と琉球大学熱帯生物圏研究センター 戸田 守 准教授は、沖縄県に生息する絶滅が危惧されているヤモリの仲間のクロイワトカゲモドキの分類に関する共同研究を行いました。本研究では沖縄島北部および古宇利島の個体群と沖縄島中南部。屋我地島、瀬底島、および伊江島の個体群が形態的・遺伝的に識別できることを示し、前者を新種として分割、記載しました。
本研究の成果は 2024 年 2 月27日付けで日本爬虫両棲類学会(HSJ)刊行の国際学術誌「Current Herpetology」にて公開されました。
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駿河湾から新属・新種のカクレエビ類を発見-初記録!ウミユリ類のトリノアシに共生-(2024.1.12)
[担当:駒井 智幸]
当館の駒井 智幸 動物学研究科長とサンシャイン水族館の研究グループは、静岡県駿河湾から、テナガエビ科カクレエビ類の新属・新種を発見しました。このエビは、深海に生息するウミユリの仲間トリノアシに付着していたことから、「トリノアシヤドリエビ」と名付けられました。トリノアシに共生する甲殻類は初めてで、学術的に非常に貴重な発見となります。
この研究成果は、2023年11月30日に国際学術雑誌Zootaxaで公開されました。
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房総半島のみで採集 勝浦市と鴨川市の磯から新種のエビを発見(2023.11.21)
[担当:駒井 智幸]
当館の駒井 智幸 動物学研究科長は、勝浦市と鴨川市の磯でヒメサンゴモエビ科トゲツノモエビ属の新種を発見し、「ボウソウトゲツノモエビ」 と名付けました。本新種は、房総半島以外では採集例がなく大変貴重な種です。
この研究成果は、2023 年 11 月 1 日に国際学術雑誌 Zootaxa で公開されました。
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千葉県から新種のカメムシ「キヨスミチビナガカメムシ」を発見!(2023.11.14)
[担当:伴 光哲]
当館の伴 光哲共同研究員(当時:当館研究員)は、千葉県南部の清澄山の周辺から新種のカメムシを発見し、「キヨスミチビナガカメムシ Stigmatonotum macronotum」と名付けました。カメムシの和名に千葉県の地名に由来する名前がつくのは初めてのことです。
本研究の成果は2023年10月27日に昆虫分類学の国際誌である「Acta Entomologica Musei Nationalis Prague」にて公開されました。
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沿岸魚類群集の種間相互作用強度の温度感受性(2023.8.4)
[担当:宮 正樹]
当館の宮正樹主任上席研究員を中心とする研究グループは,房総半島から得られた海水サンプル中の魚類DNA(環境DNA)を分析し,魚類群集における魚種間の関係性を検出することに成功しました。さらに,魚種間の関係性の強さが温度感受性をもつことも明らかにしました。これは,地球温暖化が個々の種だけでなく生物群集にも大きな影響を与えることを示しています。
本研究の成果は2023年7月11日に国際誌「eLife」で公開されました。
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沖合海底自然環境保全地域から2新種を含む ワラエビ上科甲殻類4種を発見(2023.6.1)
[担当:駒井 智幸]
千葉県立中央博物館 駒井智幸 動物学研究科⻑と海洋研究開発機構 深海生物多様性研究グループ 土田真二博士・藤原義弘博士による共同研究グループは、2020年に実施された沖合海底自然環境保 全地域の調査で採集されたワラエビ上科甲殻類の研究結果を発表しました。
4種が報告され、そのうちの2種が新種、2種が日本近海から始めて記録されました。今回の研究において発見された種 は全てこれまでに日本周辺海域からは記録のなかったもので、沖合海底自然環境保全地域の生物相 の解明に向けた今後の調査・研究の展開が期待されます。
本成果は、2023年5月19日にニュージーランドの国際学術誌「Zootaxa」にオンライン掲載されました。
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若狭湾から新種テッポウエビ類の発見 ―貴重な抱卵メス1個体―(2023.5.10)
[担当:駒井 智幸]
当館の駒井 智幸 動物学研究科長と京都大学の研究グループは、日本海の若狭湾からテッポウエビ科の新種を発見し「ワカサムラサキエビ」と名付ました。
本種は1年間の調査で1個体しか採取されていませんが、昨年も若狭湾からはエビ類の新種「ワカサスナモグリ」が発見されており、日本海には未知なる生物多様性があると考えられます。
この成果は、2023 年5月2日付の国際学術雑誌 Zootaxa 誌で公開されました。
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エビの巣穴に住む新種のエビを発見(2023.4.26)
[担当:駒井 智幸]
当館の駒井 智幸 動物学研究科長と琉球大学の研究グループは、沖縄本島において、アナエビ類の巣穴に共生するカギテシャコエビの新種を発見しました。スナモグリ類以外のエビと共生するカギテシャコエビは初めての確認です。
この研究成果は、2023 年 4 月 21 日付の国際学術雑誌 Zootaxa 誌で公開されました。
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海岸の”砂利”に潜むテッポウエビ類の新種を発見! 礫浜の間隙環境に生息するコエビ類を日本から初報告(2023.4.5)
[担当:駒井 智幸]
当館の 駒井智幸 動物学研究科長と東京海洋大学の研究グループは、海岸の砂利に生息するテッポウエビ科の新種 Metabetaeus lapillicola(和名新称:サザレオハグロテッポウエビ)を発見しました。
海岸の砂利(礫浜の間隙環境)に生息するコエビ類が発見されたのは日本初です。この発見により、これまで生物の生息に不向きだと考えられてきた礫浜が、重要な生息環境であることが示されました。
この成果は、2023 年 3 月 29 日付の国際学術雑誌 Zootaxa 誌で公開されました。
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沖合海底自然環境保全地域から新種のエビを発見(2023.2.10)
[担当:駒井 智幸]
当館の 駒井智幸 動物学研究科長は、沖合海底自然環境保全地域に指定された西マリアナ海嶺の深海生物の調査で採集された標本を研究し、テナガエビ科ホンカクレエビ属の新種 Periclimens variabilis(新称:ウスベニシンカイカクレエビ)を発表しました。本研究の成果は令和 5 年 1 月 31 日に「Zootaxa」にて公開されました。
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日本海若狭湾から新種スナモグリ類の発見 ―実験所すぐそばの海底から太平洋初記録の属―(2022.9.9)
[担当:駒井 智幸]
当館の 駒井智幸 動物学研究科長は、京都大学(京都府京都市)などの研究者との共同研究により、日本海の若狭湾でスナモグリ科 Callianassa属の新種(Callianassa ogurai:新称 ワカサスナモグリ)を発見しました。Callianassa属は、以前は世界中に分布するとされてきましたが、近年の研究により再検討され、現在では大西洋産の5種とインド洋産の1種に限定されていました。今回発見された新種は、形態比較と分子系統解析によりヨーロッパ産の本属種C. subterraneaに最も近縁であることが判明しました。本属に帰属する種の太平洋域からの初めての発見となります。本研究成果は、2022年9月8日付で国際学術誌「Zootaxa」で公表されました。
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糞から調べる絶滅危惧種のトカゲの食べ物(2022.9.6)
[担当:栗田 隆気]
当館 栗田隆気 研究員と琉球大学熱帯生物圏研究センター 戸田守 准教授は、沖縄県に生息する絶滅が危惧されているヤモリの仲間のクロイワトカゲモドキ Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae の食性に関する共同研究を行いました。この研究では、生体や個体群になるべく負荷をかけずに正確に食性を調査するための方法を検討するとともに、クロイワトカゲモドキがどのような餌を食べているのかを明らかにしました。本研究の成果は 2022 年 9 月 5 日に、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が刊行する学術誌「Wildlife Research」にて Online Early で公開されました。
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新種のヒョウタンナガカメムシをマレー半島で発見(2022.1.5)
[担当:伴 光哲]
当館 伴 光哲研究員は、ヒョウタンナガカメムシ科のKanigara属について分類学的な検討を行い、マレーシアから新種 Kanigara nebulosaを、これまで本属の記録がなかったタイからK. punctataを、それぞれ報告しました。
本研究の成果は、2022年1月5日にシンガポール国立大学発行の動物学の雑誌「Raffles Bulletin of Zoology」にて公開されました。
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新種のヤドカリ「カイカタヒラテヤドカリ」を発見(2020.9.30)
[担当:駒井 智幸]
ホンヤドカリ科の新種Kumepagurus kaikata(和名新称:カイカタヒラテヤドカリ)を報告する論文がZootaxaにて2020年9月30日付けで公表されました。
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なぜ直接子どもを産むトカゲは出現したのか?(2020.8.13)
[担当:栗田 隆気]
当館生態学・環境研究科の研究員栗田隆気は、東邦大学研究員 児島 庸介、京都大学 准教授 西川完途、マレーシア・サラワク州森林局研究員 Mohamad Yazid Hossmanとの共同研究により、インドから東アジアにかけて生息するトカゲの仲間の生息環境、行動、繁殖様式の進化に関する研究を行い、「繁殖様式の進化が特定の生息環境と行動を基盤に生じている」という仮説を発表しました。本研究成果は、2020年8月13日に英国自然史博物館が刊行する学術誌「Systematics and Biodiversity」に掲載されました。
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オオスナモグリは生きていた(2019.7.25)
[担当:駒井 智幸]
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NHK NEWS WEB で2019年6月5日に取り上げられました。
「“絶滅”の甲殻類 オオスナモグリか 干潟で発見」 https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2019/06/news/news_190605/(外部リンク)
「環境DNAでオオスナモグリ調査」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2019/06/news/news_190611-5/ (外部リンク)
伊江島の海底洞窟から新属新種のテッポウエビを発見(2018.1.19)
[担当:駒井 智幸]
当館動物学研究科主任上席研究員の駒井と沖縄県立大学准教授藤田藤田喜久博士の共同研究により、沖縄諸島伊江島の海底洞窟からテッポウエビ科の新属新種が発見され、2018 年 1 月 8 日付けで学術雑誌「ズータクサ(Zootaxa)」に発表されました。
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植物・菌類
雨水を集めて森の生きものを解析 — 樹上生物モニタリングを可能にする新技術の開発 —(2023.11.30)
[担当:坂田 歩美]
当館の坂田歩美 研究員と宮 正樹 主任上席研究員を中心に、一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究所の岡 慎一郎 動物研究室長、香港科技大学の潮 雅之 助理教授らの研究グループは、雨が降ると枝や幹を伝わって滴り落ちる樹幹流から得られた環境DNAを解析することで、樹上に生息・生育する生きものを調べる方法を開発しました。
この論文は、2023年10月に国際学術誌MethodsXで公開されました。
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千葉県からラン藻地衣の新種 スミツブノリPhloeopeccania japonicaを発見!(2023.8.24)
[担当:原田 浩]
千葉県で採集した標本に基づきPhloeopeccania japonica(フロエオペッカニア ヤポニカ)を新種記載しました。
これまでシアノバクテリア(ラン藻)を共生藻とする地衣類の属であるPhloeopeccania(フロエオペッカニア)属の発見は国内初となります。
本研究の成果は2023年7月15日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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石灰岩地から日本初記録の地衣類 シワヒメアオキノリScytinium gelatinosumを発見!(2023.3.31)
[担当:原田 浩]
石灰岩を産する場所では特殊な植物が生育することが知られています。地衣類の場合も他では見られないような種類ばかりが生育し、これらは石灰岩生地衣類と呼ばれます。当館職員の原田は、このうち日本産の広義アオキノリ属について初めて総合的に検討し、ヒメアオキノリ属の5種が分布していることを明らかにしました。本研究の成果は2023年3月31日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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降水量の増加が温帯林の林床植物の多様性を低下させる(2023.1.12)
[担当:大津 千晶]
当館の大津千晶研究員は森林総合研究所の飯島勇人主任研究員、山梨県森林総合研究所の長池卓男主幹研究員、東京農工大学の星野義延功績教員との共同研究により、過去20年間で降水量の増加によって関東・中部地方の森林の林床植物に生育する植物種の多様性が低下したことを発見しました。
本研究の成果は2022年12月15日に学術誌「Forest Ecology and Management」にてオンラインで公開されました。
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Flakea papillata ハギレゴケを本州で初発見(2022.11.30)
[担当:原田 浩]
これまで国内では屋久島と奄美大島だけしか記録の無かった、熱帯性の地衣類のFlakea papillata(フラケア パピラータ)が、鹿児島県(九州本島)と和歌山県、更に千葉県でも採集されていることが判明しました。日本産のこの地衣類について、産地以外の情報が全くなかったので、今回その詳細を明らかにするとともに、和名をハギレゴケとしました。本研究の成果は2022年11月10日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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富士山頂で発見された日本新産属のラン藻地衣,Arctomia teretiuscula タカネノリ(Arctomiaceae タカネノリ科)(2022.6.30)
[担当:原田 浩]
富士山の山頂近くで採集した地衣類の標本が、これまで日本では記録の無かった地衣類のタカネノリ属であることが判明し、その詳細を明らかにしました。本研究の成果は2022年6月30日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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日本産石灰岩生地衣類の分類学的研究(3).新種ムニンヒメイワノリ Lempholemma boninense (2021.4.25)
[担当:原田 浩]
これまでシアノバクテリア(ラン藻)を共生藻とする地衣類の属、Lempholemma(レンフォレンマ)ヒメイワノリ属は、国内からはこれまでに1種のみが知られていましたが、2種目となる新種Lempholemma boninense(レンフォレンマ ボニネンセ)を小笠原諸島産の標本に基づき記載しました。本研究の成果は2021年4月25日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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日本産海岸生地衣類図鑑(2).アナイボゴケ科(2020.4.1)
[担当:原田 浩]
岩石海岸の潮間帯から飛沫帯にかけて地衣類が卓越し分布帯を形成しますが、これらの地衣類は海岸生地衣類と呼ばれます。このうち、日本産のアナイボゴケ科について検討し、Verrucaria(ウェルルカリア)アナイボゴケ属の10種と、Hydropunctaria(ヒドロプンクタリア)ゴマダラゴケ属の2種を認め、それぞれの種について詳しく報告しました。本研究の成果は2020年3月30日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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東京大学千葉演習林から地衣類の2新種発見(2017.6.30)
[担当:原田 浩]
当館の重点研究「房総丘陵の自然─過去,現在,未来─」によって,県南部にある東京大学千葉演習林で採集された標本に基づき,地衣類の新種2種を当館の研究員らが発表しました.
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日本産淡水生地衣類の分類学的研究(2).アナイボゴケ属の新種発見(2012.2.29)
[担当:原田 浩]
主に河川の上流で、水辺の岩の上に生育する淡水生地衣類を代表するアナイボゴケ属Verrucaria(ウェルルカリア)について、日本各地で調査を行い、収集した本属の標本を検討した結果、3新種を含む16種を認め、詳しく報告しました。本研究の成果は2012年2月29日に日本地衣学会の学術誌「Lichenology」(ライケノロジー)にて公開されました。
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歴史・民俗・考古
330年以上前に中国から伝わった疫神除けの呪い(まじない)が利根川流域に流布していました(2023.1.20)
[担当:榎 美香]
当館の榎 美香主任上席研究員は、中国怪異小説に端を発し、江戸時代から明治にかけて疫病流行のたびに流布した呪符「乙(きしおつ)」について、利根川流域の事例を初めて比較研究しました。
本研究の成果は2022年12月18日付けの『西郊民俗』誌に掲載されました。
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