館蔵美術品紹介(絵画)
section01:Landscape & Event
千葉の風景・行事を描いた作品
銚子、笠森寺、成田山新勝寺、香取神宮などの千葉の名所や風景、行事を題材とした作品をご紹介します。
◆六十余州名所図会 下総 銚子の浜 外浦
(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ しもうさ ちょうしのはま そとうら)
-員数:1枚
-時代:嘉永6(1853)年
-サイズ:363mm×243mm
-作者:初代歌川広重
<解説>
初代広重(1797~1858)は、晩年の嘉永6(1853)年から安政3(1856)年にかけて、「六十余州名所図会」(全69枚)を制作しました。
「下総 銚子の浜 外浦」は、下総の代表的な名所であった銚子での磯遊びの様子を描いたものです。
「外浦」は、現在の銚子市南東部の外川(とかわ)地区の一画で、当時の地元での呼び方と思われます。手前の砂浜が外川の浜で、中央左手の巨大な岩は千騎ヶ岩(せんきがいわ)と呼ばれる奇岩です。また、右手中ほどの断崖絶壁が屏風ヶ浦で、全長約10キロに及ぶ断崖ですが、ここではその西端の刑部岬(ぎょうぶみさき)が描かれています。水平線上には房総半島がかすかに浮かび、その向こうには富士山も見えます。
このように見える風景は本来はありませんが、外川の浜で見ることのできる名勝が、一図の中に凝縮されています。