小土呂 行屋講(大多喜町)
調査時期:2010年12月/2011年2月

12月の暮行で白い梵天を3本作り、三山碑、行人塚、水神様に立てます。
梵天の作り方





手順
- 藁を束ね、半紙を巻いて二か所を麻ひもで縛る。上下を揃えて切り揃える。
- 藁ヅトの頭に三角をつけた割竹を3本挿す。
- マダケの支柱を挿す。
- 支柱の中ほどにサカキと幣束を麻ひもで縛る。
現在の行事と梵天



行屋堂の厨子には大日如来像が祀られているが、その脇に三山の掛け軸、三本の幣束を祀る祭壇を設けており、祈祷は祭壇の前で行っている。
1月に大進坊が来る日にあわせて初行を行う。春と秋の彼岸には念仏講といっしょに清掃や祈祷の行事を行う。7月に三山登拝。12月8日の「暮行」で梵天を3本作り、行屋堂の前の三山碑、行屋堂の奥の行人塚、井戸の脇にあった水神様に立て、祭壇や三山碑のしめ縄を新しくする。水神様はしばらく前に井戸を埋めた際、行屋堂の前に移した。昭和30年ころまでの暮行は、餅をついてお汁粉を作り、こどもたちが丸餅やみかんをもらいに来て、賑やかだった。
三山登拝の近況と梵天
昭和40年ごろにいったん途絶えたが熱心な方の尽力で復活した経緯がある。山へは泉水(大多喜町)や横山(同)と一緒に、毎年行っている。宿坊は大進坊。毎年正月に旦那場廻りに来る。
山へ行くときに梵天を作ることはないが、行屋堂の墓地の一番上にある行人塚に、留守の間中、家族が毎日お神酒とオサゴ(お米)をあげる。
行人の葬式と梵天
行衣を着せて送るだけで、特別なことはしない。